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デジタルアーカイブ

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大阪府では、関西を拠点に戦後の美術界で活躍した現代美術作家の作品をはじめ、1990年代に開催した「大阪トリエンナーレ」の受賞作品など、絵画や版画、彫刻、写真等約7,900点の美術作品「大阪府20世紀美術コレクション」を所蔵しています。ここでは、その所蔵作品を、作品名や作家名、キーワードから検索し閲覧いただけます。

作家解説

  • 岩宮 武二
  • Takeji IWAMIYA

鳥取県米子市に生まれる。写真館を営む伯父の影響で写真に興味を持つようになり、1939年に安井仲治、上田備山の知遇を得て丹平写真倶楽部に入会し指導を受ける。戦後、三宮でDPE店を開業し、写真で生計をたてるようになる。
戦後まもなくの1946年から1950年代に撮影された作品には、抽象と幻想と象徴的表現を基調とした安井仲治や中山岩太ら戦前期の関西のモダニズムの雰囲気が漂う作品や、土門拳のリアリズム写真の影響が感じらる作品が多く見られる。1951年には、瑛九の創立したデモクラート美術協会会員となる。1954年、第2回フジ・フォトコンテストで「マヌカン」がカラー部門で金賞、「炭鉱夫」がモノクロのプロ部門で銅賞を受賞し、写真界にデビューする。その後、佐渡や日本海をテーマとした作品を撮影、また1960年代以後は、京都や奈良の伝統的な形とデザインに対して関心をしめした作品が多くなっていき、岩宮独自の写真世界が築かれていく。
1962年「かたち」 で日本写真家協会賞受賞。1966年「京 Kyoto in KYOTO」で毎日芸術賞受賞。 '69年「宮廷の庭」で芸術選奨文部大臣賞受賞。 1972年「IMPERIAL GARDENS OF JAPAN」で第4回国際出版文化大賞受賞。1988年、兵庫県文化賞受賞。
1994年、大阪府は遺族より岩宮武二の作品734点(購入57点・寄贈677点)を収集した。

主要参考文献

「郷土作家 岩宮武二 カメラでとらえた美と風土」尼崎市総合文化センター 2001
「目前心後自家文集」 岩宮武二写真事務所1980